食育、自然体験について

 当園では、一人ひとりの個性を大切にし、自然環境の中でのびのびと成長できる環境を提供しています。特に、食育と自然体験に力を入れており、園庭には自然農法で育てられた畑があります。今日は、その畑が子どもたちの成長にどのように役立っているのかをご紹介します。

園庭の自然農法の畑の子どもたちへの影響

当園の園庭には、イチゴ、ビワ、トマト、秋田ふき、キュウリ、ナス、グミの木、そしてミカンの木など、多種多様な作物が栽培されています。これらの作物はすべて自然農法によって育てられており、化学肥料や農薬を使用せず、自然の力だけで育てられています。この方法で栽培を行う農園で育つ作物は安全で、農園には多様な生き物が集まります。この農園での様々な体験は、子ども達が夢中になる遊びの機会になると同時に多くの学びを提供します。

生き物たちの営みに親しむ

 園庭の畑には、シロツメクサやミミズ、ダンゴムシなど、多くの小動物が生息しています。これらの生き物は土壌を豊かにし、植物の成長を助け、共に支えあい生態系を構成しています。子ども達はこれらの生き物の営みに親しむことで、科学的な思考、自然への経緯、観察力、社会性などのたくさんの学びの芽を育みます。

食べ物の成長過程の観察


 子どもたちは、種がどのように芽を出し、花が咲いて実になるのか成長していくのかを間近で見ることができます。これにより、食べ物への関心と理解が深まります。

感覚的な体験


 自然の中での学びは、五感である視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚を通じて、子どもたちの感覚を刺激します。特に、自分たちで収穫した作物を味わうことは、格別の大きな喜びです。

当園で体験できる自然体験(※年度ごとで多少異なります)

野イチゴ

 当園の園庭には野イチゴが自生しています。自然農法で育つ野イチゴに触れることは、0~2歳児の感覚発達に大きく寄与します。野イチゴを触ることで、色や形、触感を通じて、子どもたちは多様な自然の質感を学びます。また、この経験は味覚や嗅覚の発達を促し、自然に対する好奇心や探究心を育てる重要な第一歩となります。

秋田ふ

2024年度初めて栽培している作物です。秋田の固有種で順調に育つと2mほどの高さにまで成長するそうです。子ども達がその下に隠れたり、傘にして遊んだりすることが出来ます。食べることも出来るので、園で育った作物を食べる経験は子ども達にとっては楽しい食育の経験になるでしょう。

アゲハチョウの観察

保育園の自然農法畑にあるミカンの木には毎年、アゲハチョウが卵を産みに来ます。その卵が幼虫になり、さなぎになり、蝶に変わる過程を見ることで、子ども達は生命のサイクルを学び、自然とのつながりを感じる体験ができます。この観察は、子どもたちの好奇心を刺激し、生き物に対する理解を深めるとても良い機会となります。

ダンゴムシやミミズ

子ども達の人気者のダンゴムシとわんぱくな子どもたちの関心の的のミミズは、実は豊かな土壌をつくる縁の下の力持ちなのです。ミミズやダンゴムシは、土壌に有機物を分解する役割を持っています。ミミズは土を食べて排泄することで、土壌を耕し、栄養素を豊富にします。ダンゴムシは落ち葉などを分解し、土壌の有機質を増やすことで、植物が栄養を吸収しやすくなるのです。これにより、土壌の健康が保たれ、肥沃な土地が形成されます。

 空と虹の家保育園では、自然と共に生きることで得られる教育的価値を大切にしています。自然農法の畑を通じて、子どもたちに食べ物の価値、自然の大切さを伝え、健全な身体と心を育む手助けをしています。

 私たちの取り組みが、お子さまの「のびのびとした成長」と「豊かな個性」を育めるようこれからも日々努力を重ねていきたいと思います。

ミニコラム自然農法とは?

 自然農法とは、自然界の循環を尊重し、人間の介入を最小限に抑える農業手法です。化学肥料や農薬を使用せず、自然の力を活かして作物を育てます。この手法は、土壌の健康を維持し、環境への負担を軽減することを目指しています。土壌中の微生物や虫たちが自然に分解し、肥沃な土壌を作り出すことで、植物は強く健康に育ちます。

 当園では、自然農法を取り入れた庭で園児たちが野菜や果物を育てる体験やさまざまな生き物を観察し触れ合う機会を提供しています。この体験や機会は、子どもたちに食べ物の価値、自然の大切さを伝え、健全な身体と心を育むことに寄与します。

自然農法の庭では、虫や鳥、小動物など多様な生物が集まり、豊かな生態系が形成されます。子供たちはこれらの生物たちと触れ合い、自然の循環と生命の尊さを肌で感じることができます。このような環境での体験は、子供たちの感受性や探究心を育み、「のびのび個性豊かに」成長するための大切な要素となっています。